第１７９話　宇都宮餃子会に学ぶ！

先日、協同組合の宇都宮餃子会様の
１８年度特別講習会に参加させていただき
「組合運営と経営戦略について」という
演題を当日依頼され
セミナーをやらせていただきました。

今後の組合の運営も聞きたければ
各個店の経営戦略も聞きたいという依頼でしたが。

たった２時間でありきたりの薄っぺらなことをいってもしょうがない
また参加された個店様の表情から察しして
この２時間は各個店様の経営戦略に絞り込み
その延長線上が組合運営である事を訴える。

とにかく宇都宮の餃子と言えば
たった十数年で
餃子一本で
無名の宇都宮市を日本中に知れ渡らせた
素晴らしい観光ＰＲのお手本中のお手本！

その立役者の組合にケチつける気もない。

伸びているときは陰りが見えるまで
やりたいようにやればいいというのが私の持論。

強いていうなれば組合として企画イベント以外に
同時進行でやらなければならないことは
各個店の商品品質のアップと
サービス品質のアップに尽きます。

宇都宮餃子会の各個店の品質アップが一番だと思います。

低レベルな店が存在すると
宇都宮餃子会すべての店が信用なくなります。

とにかく宇都宮餃子会発足１５年、
代表理事は言わずと知れた老舗の名物社長
社長自身が年老いても
勉強熱心で
店舗展開も熱心
経営品質向上も熱心という代表理事さんです。

彼は自らが率先して
宇都宮市と宇都宮餃子の食文化を日本中に広げた偉大な男です。

宇都宮市で餃子消費量が全国平均よりも
異常値を作り出した宇都宮餃子会の強力な面々。

それは宇都宮の人間が
餃子が好きだったから文化が出来たのではない。

彼ら宇都宮の餃子店が一生懸命美味い餃子を作り続け
ただひたすら売り続けた結果
宇都宮の人間は美味いから餃子を食べる機会が増えただけなのです。

それがこの商圏で異常値を作り出し食文化を創りだしたのです。
私がよく言う「商売人が文化を創る」見本だと思います。

全国平均、国内総生産、少子高齢化なんていう世論なんて
我々地域に根ざす商売人にとっては
参考にはなるが自店には関係ないんです。

ただひたすら美味しいを追求し
販売促進を屈指して売り続けるだけで

日本中を異常値にすることは難しくても
一部の商圏だけなら異常値を創り出すことが出来るのです。

我々が商品品質レベルの低い標準化に甘んじ
企業側の効率理論で全国チェーンを作って
世論に振り回される経営を選ぶのも素晴らしいですが・・

何十年も地域に根ざし目の肥えた地元のお客様相手に
常に高い品質基準を保つことで文化を創り出し
そして全国の人がその文化に触れたくて
わざわざ自店に足を運んでもらう発想があったっていいじゃないか！

これが私が各地で伝え歩いている理念経営の極意です。