第２２７話　プロカメラマンを目指す坂本敦物語！

昨日宇都宮本店の朝礼に顔出した！

アソシエイトのプロカメラマン志望の坂本敦（あつし）２５歳が
だらしない目をして遅刻してきた！

「テメー舐めてんのかー！」って私は真剣に怒鳴りつけた！！

彼は地元の高校を卒業してサトカメに入社して
宇都宮細谷店で竹原賢治店長の下で
副店長として頑張っていた将来有望な頑張り屋の男だった。

昨年２４歳の時に
プロカメラマンになりたいという自分の夢を追って
そして、１年前から計画していた
友達が独立する美容室でフォトスタジオを開くために・・・
彼の夢と希望に満ちた２４歳の顔を見て・・・

私からすると失敗するのはすでに目に見えていた・・
もちろん彼は「専務の言うことはよくわかります。」と言いながらも
「やってみなければわからない！」って言い張った。

失敗しないとわからないのが人生です。
失敗して傷つきながら成長するんです。

だから私はあえてそれ以上は止めなかった。

昨春パルコでのサトカメ催事を彼にやらせながら
とにかく退社する前の２週間
私の本を読ませてマンツーマンでみっちり仕込んだ
無茶だがそれが最後の最後に私の出来ることだった。

そして、最後に一言、「ダメだったらいつでも戻って来い」と言った

そして、彼はサトカメを退社した。

その３ヵ月後友達の独立が頓挫したらしい・・
案の定、すべて友達ありきの坂本君は何も無くなった。

宇都宮本店湯沢裕徳店長は彼を気遣って
サトカメにアルバイトとしてとりあえず戻らせた。

あれから１年
彼はその後ダラダラと目標も無く
サトカメでアルバイト生活を送っている。

先日私は彼に言った

佐藤「わかっただろうろう！？」

坂本「はい・・」

佐藤「何にもわからん奴が
　　　　ただ写真が好きなぐらいで飯は食えないことを！」

坂本「はい・・」

佐藤「お前は本当にプロカメラマンになりたいのか？」

坂本「もちろん、なりたいです！」

それならサトカメでもっともっと写真もカメラも勉強して
お客様にもっともっと接して人間を知り
部下育成も覚えて人を引っ張る力も身につけ
マネッジメント力も身に付けて経営力を養い
途中でサトカメアソシエイトとして個展を開きながら
写真集を出したりセミナーを開いたりしてから

実力をつけて独立しろ！

仕事はいくらでも回してやるよ！

それよりもプロカメラマンとして本気で飯食いたければ
サトカメで店長になれば周りの見る目もガラリと変わる
その間にサトカメの看板を利用して
一流のプロカメラマンとの人脈も広げて
メーカーとの人脈も広めて
地元の写真クラブとも人脈を広げなさい。

そうなれば君の思い描いている本当の夢に近づけるよね。

坂本「あッありがとうございます！」

って言った！

その次の日がいきなり遅刻だったので
怒鳴りつけたわけです。

そしてその場で言ってやった！
もう１回遅刻したら
どんな理由であれ即刻クビを宣告した！
本人も腹を据えてその条件を飲んだ！

それはプロカメラマンを目指すものとして
現在はアシスタントみたいな時期に
のうのうと遅刻するなんて
「時間＝約束＝信頼＝仕事」を体で覚えてもらうためです。

彼は現在はサトカメで定額のアルバイト給で１０時からだから
３０分早く来てもその分の給料が出ないから？

損するみたいなことを言いやがったので！

私は彼に向かって
テメー本気でプロカメラマンになる気あるのか！！
そんなチマチマこまかいこと言ってねーで
明日から３０分早く来て
君を助けてくれた湯沢裕徳店長の手伝いをきちんとしろ！

そしてもう一度、腰据えて真剣に仕事して
信用をもらって、
もう一度サトカメで以前の様に店長を目指せ

それがプロカメラマンとしての近道で
君の名前を売るチャンスで
君の夢を叶える道だろう！！！！！！！！！！！

もう少し自分の将来に、自分の夢に、自分の行動に責任を持て！
友達に裏切られたのは確かにショックだったかもしれないが
いつまでも甘ったれてんじゃねー！

お前のことを真剣に考えてくれる上司の気持ちを、
そして相手の気持ちを少しは考えろ！

その瞬間、彼は昔の副店長の時の
頑張り屋の顔に戻っていました。

昨日約束したろう！

飯の食えない普通のプロカメラマンじゃダメなんだ
プロカメラマンとして大成させようぜ！

俺もついてるぜ！