５１才不良オヤジと１５才不良少年カバン持ち漂流記・その４いよいよクライマックスへ

 
 
私の車に乗せて
全開フルオープン
秋空を感じながら

 
 
勝人「それで
お前はどうなりたいんだ？」
 
 
15才「・・・・・」
 
 
勝人「では
その前に聞くぞ
お前のコンプレックスは何だ？」
 
 
15才「コンプレックスですか？」
 
 
勝人「そうだ何かあるんだろう？」
 
 
15才「もちろん・・・・」
 
 
勝人「それは何だ！
俺が解決してやるから
何でも言え」
 
 
15才「背が小さいこと・・・・」
 
 
勝人「確かに大きくないなぁ
でも１５歳だったら普通だろう？」
 
 
15才「やっぱり１７０センチは欲しい・・・・」
 
 
勝人「確かになぁ?
今の時代
お前ぐらいの世代だったら
１７０センチは欲しいなぁ?
わかるよその男心！」
 
 
勝人「それで今何センチなの？」
 
 
15才「１６６センチ・・・」
 
 
勝人「エッ
あと数センチじゃないか」
 
 
15才「そうなんですけど・・・・」
 
 
勝人「お前タバコ吸ってるのか？」
 
 
15才「あっ・・ハイ・・・・」
 
 
勝人「ハイじゃないよ馬鹿野郎！
俺だってお前らと同じガキの頃は
よく吸っていたもんだけど
だからこそあえて
うるさいことは言わないけどさ」
 
 
15才「？？？？？？」
 
 
勝人「しかしお前の場合は違うんだよ！
お前が今一番思い悩んでいる
そのコンプレックスの解消法として
それこそ
そのタバコを辞めたほうが
良いんじゃないのか？
何も自分の身長の伸びを阻害するような
成長を自分で止めるようなこと
するバカないだろう！」
 
 
15才「・・・・・・」
 
 
勝人「一生辞めろなんて言わないよ
今の時期だけだよ
そうすれば２０歳までは
まだまだ背は伸びるんじゃないのか？
その可能性は大きいぞ
特に１５才じゃ一番の伸び盛りだ
それなのに
自分で止めるバカあるか！」
 
 
15才「・・・・・」
 
 
勝人「じゃあ聞くけど
お前はいくつまで生きたいんだ？」
 
 
15才「１００才・・・」
 
 
勝人「ならばあと８５年もズーッと
お前はそのコンプレックスを
抱えて生きるのか？
大変だなぁ?」
 
 
15才「・・・・・」
 
 
勝人「お前の１００年の人生で
今が最大チャンス
１５才?２０才の５年間
この５年間タバコを辞めれば
まだまだ背が伸びる可能性はあるし
タバコは身長が止まってからで良いんじゃないのか？
お前が１００歳まで生きるんだったら
それこそあと残りの人生８０年
死ぬほど吸っていられるわ」
 
 
15才「もっ、もう辞めますっ」
 
 
勝人「酒も同じだぞ」
 
 
15才「はっはいっ」
 
勝人「俺はお前がタバコや酒を
辞める辞めないなんて
どうでもいいんだよ
そんなガキの約束なんて
本気にしないしな」
 
 
15才「？？？？」
 
 
勝人「俺が言いたいのは
お前の人生だし
苦しみ悩むのもお前だし
ハッキリ言って
俺はお前のコンプレックスなんて
痛くも痒くもないのよ
関係ないしな
だからこそ
ひとつ教えてやるよ
自分が自分で自分に裏切ることだけはやめろよ
自分のことを信じるのは
自分だけだ
その自分を裏切る行為だけは
これからは気をつけろよ」
 
 
15才「ハイ」
 
 
勝人「それでもってお前は
どうなりたいんだ」
 
 
次号いよいよ最終回