第２５１話　背番号１９

古豪硬式野球部高校３年息子の「ゆうじ」、
小中学校とお遊び野球部ではダントツの選手でも
やはり県内各地からつわものが集まった
本格的な強豪硬式野球部に入れば全然レベルが違う。

入部していきなりのハード練習の繰り返しで
疲れがたまり過ぎて足を痛めたり腰を痛めたり
朝の５時に起きて帰りは夜の１０時は当たり前
それこそ強くなるためには
全国大会を目指すためには
３６５日殆どが練習練習の硬式野球部。

とにかく努力家の彼は絶対に休まず音を上げずに
時間はかかるが
必ずやり通す所を親として尊敬している。

遂に遂に背番号をもらった！

１９番君

今朝、背番号を見せてもらった１９番には
彼なりの頑張りが見えた結果として
親父として握手して抱きついてやった！

どうせ控えなんだから
背番号は１８番だったら違う意味でカッコいい背番号だったのにね。
「ゆうじ」らしいかプラス１個努力の上乗せで１９番も良い番号だ！

という親父は目に涙を浮かべて１９番の背番号をさすっていた。

そこには「ゆうじ」の血と汗と涙と努力の結晶が１９番という
数字になって現れた価値なんです。
だからその背番号がその価値を知っているだけに重いんです。
だからうれしいんです。

「ゆうじ」お前の替わりに今回背番号もらえなかった奴もいるはずだ
そいつの分まで頑張れよ。

そして、たとえ「ゆうじ」が試合に出られなかったとしても
常に手を抜くなよ
監督もコーチも試合もベンチも全部の動きを見ておけよ。
声は自分から人の３倍大きく。
ベンチの中では誰よりも早く気が利き率先して動け。
控え選手の役割は監督やコーチやレギュラー選手が
スムーズに動けるようにすること。
そして、体は常に試合進行と監督の動きを読んで
準備しておくこと。

控えの選手はいきなり本番で一発勝負だ！

それが控え選手の役目だ！

舐めんじゃねーぞ！
ベンチでボサッそ座ってんじゃねーぞ！
観客になってんじゃねーぞ！

レギュラーの数倍も神経を使うのが控え選手だぞ！！！！

１７歳の子供レベルでこんなに頑張っているのに

それに比べ
努力しなければ身に付けられない
生き抜けないこと教えない社会は情けない。

労働基準法がどうたらで努力させない
みんなで右へ習え云々なんて言っている
大企業の奴隷主義時代と高度成長時代と
昭和の頃の総中流事勿れ主義を
未だに振りかざしている
大人の社会が馬鹿みたいに思えてくる。

そういうルールがないと人を人として扱えない
まだそんな勉強不足でバカな経営者と会社が存在すること自体が・・

１７歳の直向な子供達の練習を見て思うのは
本当は時間でルール化したくないんだけど
しかし、バカな経営者が多いから国は時間でルール化しなければならないんだ。

ならばその子供達に明日から練習時間半分
全国大会目指しちゃだめだ！
甲子園なんていう夢を持つな！
なんて言ったらどうなっちゃうんだろうね？

無気力化への道へGO・・・